時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

野田首相の経済再生はマッチ・ポンプでは

 ここ数年来、日本経済は、6重苦に苛まれていると、再三にわたって指摘されてきました。にも拘らず、民主党政権は、この状態を放置するどころか、日本経済の衰退を後押ししてきました。

 こうした負の実績がありますと、今更ながらに経済再生の掛け声を聴いても、俄かには信じられません。むしろ、これまでも、”日本経済を強化する”と建前では言い続けながら、逆の政策をとってきたのですから。円高容認は半分は日銀の責任としても、エネルギー政策に至っては、脱原発を優先するあまりに、産業破壊的な政策を平然と実行してきました。原発の稼働停止に加えて、菅前首相の退陣取引の材料となった再生エネ法は、将来にわたって電力料金の値上がりを招きますし、供給についても、北海道などでは冬の電力不足が懸念されています。日本国は、製造拠点、そして、輸出国としての競争力を急速に失った結果、産業の空洞化は現実のものとなり、貿易赤字の拡大と共に、国内の生活保護世帯の数は、過去最高を更新中です。

 自ら産業を潰してきたのですから、野田首相の経済再生は、マッチ・ポンプです。自分で経済を破壊したことは棚に上げて、今度は、経済を立て直せるのは自分しかいない、と言っているようなものなのです。政府が率先して、自国の経済を苦しめてきたことを、民主党政権は、一体、どのように考えているのでしょうか。

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