時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

竹島の命名―理解に苦しむ韓国の時間感覚

 二日ほど前、NHKは、夜の7時のニュースで、韓国政府が、不法占拠した竹島にある二つの峰に、それぞれ韓国風の名前を付けたことを報じていました。その名称、「干山峰」と「大韓峰」なそうなのです。

 韓国は、これまで、竹島の領有権の根拠として、新羅時代における于山国こそが、竹島であると主張してきました。しかしながら、于山国には、住民がいたと記載されているにも拘わらず、竹島は、陸地から隔絶された人の居住できない無人島であり、記述内容が一致していません。加えて、古地図では、鬱陵島と于山島は隣り合って描かれており(竹島は、94キロ先の洋上に…)、今日では、鬱陵島の付属島である竹嶼こそが、于山であるとほぼ確定されています。韓国政府が、二つの峰に名前を付けた理由は自国の領有権を補強するためなそうですが、”于山”と名付けたところで、それは、後付けであって、領有権の根拠とはなりません。2012年において命名しても、12世紀に成立した『三国史記』における6世紀の記述の証拠とはならないのです。韓国政府は、こうした措置が、領有権の補強になると本気で考えているとしますと、その時間感覚は、おかしいとしか言いようがありません。時系列があるのですから、過去の歴史を、現在の行為で証明することは不可能なのです。

 韓国では、ハングル文字が書かれていることを証拠として、古代日本における朝鮮の影響を言い立てる人もいると聞きますが、ハングル文字は15世紀に造られたものですので、こうした説も、時系列を無視しています。もしかしますと、この命名も、”歴史は現在の人が造ることができる”とする韓国独特の歴史捏造肯定の感覚に由来するのでしょうか。

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