時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

橋下市長の”競争重視”とは

 大阪維新の会を率いる橋下大阪市長は、国民の”財産没収政策”を打ち上げる一方で、”競争重視”をも強調しています。平等化政策と自由放任政策が組み合わさった奇異な”哲学”の持ち主のようなのですが、そもそも、橋下市長の言う”競争”とは、市場の競争とは異質なものなのではないかと思うのです。

 昨日も、大阪市の政策として、大阪市内の交響楽団が参加して、1億円の賞金を競うというアイディアを披露したそうです。賞や賞金を競うコンペティションとは、一つのものを複数の人々が争う形式であり、通常、勝者は一人となります。その一方で、市場の競争は、一人の勝者を決定するものではなく(最終勝者が一人になると、独占禁止法違反となる…)、自らの製品や商品を付加価値を付けて市場に送り出し、消費者に選んでもらうことを軸に競われます。市場における競争は、より良い製品を生み出す原動力となり、消費者のニーズに応えることは、経済成長をも後押しするのです。このため、企業は、政策によってハンディを負わされては、競争上不利になりますので、政府に対しては、対等、あるいは、有利に競争できる条件の整備を期待しています。

 ところが、橋下市長は、後者の競争、つまり、市場タイプの競争をよく理解していないようであり、大阪経済を不利にする政策ばかりを打ち出しています。政治家は、企業が、充分に活動できるような環境を整える政策こそ、責任を以って取り組むべきではないかと思うのです。

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