時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

カジノ解禁は”賭博場開帳”-刑法違反を問うべきでは

 現在、国会では、カジノの解禁に向けて議連が結成され、法案の成立を目指して活発に活動しているそうです。具体的な制度作りも進んでいるようですが、カジノが、刑法で禁じられている”賭博場開帳”であることを忘れています。

 本日の産経新聞でも、大阪商業大学の佐和良作教授の談として、「団塊の世代を中心とする中高年に新しい楽しみを提供できる…」とするカジノ解禁のメリットが掲載されていました。ギャンブルを、あたかも日常的なレジャーの一種のように”新しい楽しみ”と、お手軽に捉えている姿勢に驚かされますが、古今東西を問わず、ギャンブルは、大方、アウトローの世界、あるいは、望ましくない悪習とされてきました。刑法が、賭博を禁じる理由は、麻薬やあへんと同様に、ギャンブルは精神を狂わせ、自己破滅に陥る危険性が高いからです。つまり、国民の精神破綻、並びに、財産逸失の危険を回避させるために、国は、法律によって禁止、あるいは、解禁されていたとしても、厳しい制限を設けているのです。しかも、ギャンブルでは、一時の”大勝”はあっても、長期的に見れば、参加した顧客が損をする仕組みに予め設計されています。カジノ解禁に反対しますと、”他人の楽しみを潰すな!”と非難を受けそうですが、賭け事で、人生を棒に振ってしまった人は数知れません。

 政府には、国民を保護する責務があります。一見、華やかなカジノの裏には、国民を蝕むリスクが隠れているのですから、賭博場開帳と同義であるカジノ解禁法案は、刑法違反の観点からも、成立させるべきではないと思うのです。

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