時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

カジノ法案は再生エネ法の二の舞では?

 IR(統合型リゾート)といったおしゃれな名称で議論されてはいるものの、その正体は”賭場の開設”であるカジノ法案。解禁に向けて議連なども活動を強化しているようですが、カジノもまた、再生エネ法の二の舞となるのではないでしょうか。
 
 最近の経済学の研究成果によりますと、規制の必要性は、条件の有無によって違ってくるそうです。カジノ法案に当て嵌めてみますと、カジノの集客数や周辺産業への波及効果のみに限定して計算しますと、確かにカジノの経済効果はプラスの試算を得るはずです。その一方で、カジノの解禁によってもたらされるマイナス効果を計算式に加えますと、トータルとしては経済効果はマイナスとなる可能性もあります。家計に占める”賭博費”は、他の生活用品の消費支出を引き下げますし、他のレジャー産業の収益も下落することでしょう。また、個人破産や病的依存症の増加によって生活保護世帯も増え、治安の悪化をも招くとしますと、財政悪化の要因ともなります。
 
 再生エネ法についても、立法時において既にマイナス面を指摘されたにも拘わらず、再生エネ利権に目がくらんで導入を急いだため、今日、抜本的な制度改革を迫られることになりました。過去の失敗に学び、カジノ法案についてはそのマイナス面こそ重視し、解禁を見送る方が賢明なのではないかと思うのです。後になって対策に頭を抱えないために…。
 
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