時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

英離脱確定-市場混乱の原因の一つは”賭け”では?

 23日にイギリスで実施された国民投票では、国民がEUからの離脱を選ぶという結果に終わりました。当初の予測とは逆の結果となったわけですが、離脱の報を受けて、市場は大混乱に見舞われています。

 市場混乱の要因として、国民投票の不透明性や英銀行のポジションへの懸念などが指摘されており、リーマンショック並みの金融危機の発生さえ取り沙汰されています。しかしながら、本日の大混乱の要因の一つは、当国民投票の結果に”賭け”ていた人々が多数存在したことに拠るのではないかと思うのです。イギリスは、賭け好きでも知られておりますが、イギリスのみならず、日本国内のネット上でも、離脱か残留かのどちらかに張って投資をしている人々の行動が散見されました。”賭け”というよりも、より正確には、国民投票の結果を受けた市場の値動きを予測して投資する一種の投機行為ですが、個人投資家のみならず、機関投資家も含めて全世界的にこのような投機行為が行われたとしますと、その影響は決して小さくはないはずです。

 イギリスがEU離脱を決定したとしても、即、明日から関税が復活したり、EU規制が消滅するわけではありませんので、本日の市場の反応は、不自然でもあります。”賭け”の結果によるショックは一時的に過ぎませんので、市場も、冷静さを取り戻すべきではないかと思うのです。

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