時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本政府も中国の元安政策に圧力を

 昨日、中国の胡主席アメリカを訪問しましたが、米中首脳会談では、人民元の切り上げ問題も協議されるそうです。日本国政府も、より積極的に中国政府に対して、元安是正を求めるべきではないかと思うのです。

 日本国政府が、中国に対して元安政策の是正を積極的に要求してこなかった理由として、元安政策は、中国市場に進出した日系企業にとっても利益になるとする説明があります。しかしながら、元安政策の結果としての積み上がった巨額の外貨準備は、中国の貪欲な海外投資を支えています。日本国の森林が買い漁られたり、技術力に強みを持つ企業などが中国資本に狙われ、M&Aの対象となっている問題も、その原因を探れば、元安政策にあるのです。また、この政策が、円高に苦しむ日本製品の輸出競争力を不当に低下させていることも確かなことです。

 長期的な視点に立てば、中国の利己的な通貨政策は、フェアな国際貿易体制の成立を阻む阻害要因となります。胡主席は、ドル基軸通貨体制は、過去の遺物と切り捨てたようですが、まずは、自国のアンフェアな通貨制度を改革すべきと思うのです。

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