時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

クリントン国務長官は北朝鮮のシナリオを狂わすのか?

 つい数週間前までは、北朝鮮は、オバマ政権の誕生に大いなる期待を抱いていたはずです。何故ならば、大統領の選挙戦にあって、オバマ候補は、北朝鮮との直接対話の実現に前向きな姿勢を示していたのですから。

 北朝鮮が予定していたシナリオは、六カ国協議を棚上げし、オバマ大統領と総書記との米朝会談を実現させ、一気に北朝鮮有利の合意、すなわち、1994年の「枠組み合意」のような玉虫色の合意に持ち込む、というものであったかもしれません。しかも、かつての「枠組み合意」がクリントン政権の時代であったことを考えますと、クリントン国務長官の誕生は、願ってもないチャンスと映ったことでしょう。しかしながら、ここにきて、クリントン国務長官は、日本国の拉致被害者の家族との会談を予定し、核の放棄なくして米朝の関係正常化はない、と発言しました。これらの発言によって(あるいは水面下の駆け引きによって)、北朝鮮のシナリオは、大きく狂ってきたのではないでしょうか。

 現在、北朝鮮は、長距離ミサイルであるテポドンの発射をほのめかし、脅しともとれる行動をとっています(もちろん、脅し以外の何物でもないのですが・・・)。この態度の変化は、北朝鮮のシナリオの崩壊を示唆しているのではないか、と思うのです。

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