時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

政府もまたバブリーなのでは?

 いわゆる”新自由主義”と称される”レッセ・フェール”、つまり、ルールなき市場主義はいただけませんが、その一方で、政府が大規模な財政出動をすれば、必ず景気は回復するという主張にも、怪しさがあります。何故ならば、そこには、金融バブルに踊った人々と同じメンタリティーが見えるからです。

 どのような点で同じなのかと申しますと、上昇トレンドしか見ておらず、破滅を迎えるまで拡大路線をひた走る姿勢です。何故にか、両者とも、この先もしかしたら下落の方向への反転があるかもしれない、とか、何時かは行き詰るかもしれない、という不安が微塵もないようなのです。景気回復には強力なリーダーシップが必要とも言われますし、政治家の方々は、政府が迷っているような様子を見せれば、せっかくの景気対策も効果が半減する、と読んでいるのかもしれません。しかしながら、政府の楽観主義とでも言うべき政策の自己評価には、バブルのただ中で方向性を見失った人々と同じ危うさを感じるのです。

 世論調査では、政府の景気対策を支持している国民が少なくありません。普段は政府を非難し、信頼していないにも拘わらず、こういう時には、国民は、政府は何でもできると信じているのです。財政拡大政策のマイナス面は、その時ではなく、後からじわじわと出てくるものですので、国民もまた、少しばかり冷静になって、長期的な展望から経済の動向や政府の対策を見守るべきとも思うのです。

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