時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国は何処に行く

 金融危機が発生して以来、立て続けに日本国政府は、IMFへの融資拡大や「チェンマイ・イニシアチブ」の融通枠拡大を打ち出してきています。ところで、財政に関する十分な公開がないままに政策が決定されますと、国民は、行く先不明の列車に乗せられることになると思うのです。

 何故ならば、もしかしますと、これらの決定は、日本国の将来を大きく左右する転換点となるかもしれないからです。それは、特に日米関係に現われるかもしれません。日本国は、これまで、円安誘導介入を繰り返すことによってドル建ての外貨準備をため込み、それは、米国債の購入に充てられたと言われています。もし、IMFや「チェンマイ・イニシアチブ」への融資拡大が、米国債の購入を止め、日米同盟よりも国際協調路線を選択し、将来のアジア通貨圏、あるいは、東アジア共同体に向けての布石を打つことになるならば、日米関係にも微妙な変化が起きる可能性があります(もっとも、単一通貨や共同体構想は、現実には無理があるのですが・・・)。後になって振り返ってみますと、これらの政策決定が、重大な日本国のターニングポイントとなるかもしれないのです。

 事が重大でありながら、実のところ、国民は、政策決定に至る経緯や意義を知らされていません。新聞やテレビで報道される情報をただただ聞いているだけなのです。これでは、議論らしい議論もなく、知らぬうちにあらぬ方向に連れて行かれるかもしれません。国家の舵を切る時には、国民の前で喧々諤々の議論をおこない、国民に問うべきであると思うのです。民主主義とは、そのためにあるのですから。

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