時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

維新塾2000人―政党の粗製乱造?

 近現代の政治の特徴の一つは、国民と政治を結ぶ媒介として、”政党”なるものが登場したことです。政党政治とも呼称されていますが、維新塾の手法は、どこか粗製乱造的です。

 これまで、政党を設立することは、簡単なことではないと考えられてきました(法律上は、維新の会は政党ではない…)。国政レベルと政党ともなりますと、全国的な組織作り、資金調達、後援会…など、大規模な準備が必要です。しかしながら、維新塾の方法を見ていますと、いとも簡単に政党が設立できるようにも見えます。マスコミを利用して、国民的に注目を浴びる人物が登場し、その人物を中心に政治団体が結成され、その政治団体が、教育機関を設立して全国から受講者を集め、受講者の中から選抜して各選挙区で立候補させればよいのですから。候補者は、現役の政治家でなくても構わず、政治家志望者であればよいのです。そして、票田は、”無党派層”ということになります。政党設立のハードルが下がった、という意味においては、政党の新規参入が容易になるのですから、国民にとりましても望ましいことなのですが、維新の会については、橋下氏の個人的な力によるものなのか、あるいは、強力なバックが付いているのか、どちらであるのかを見極める必要はありそうです。大量に候補者を立てるとしますと、莫大な供託金が必要ですし(候補者負担?)、マスコミ利用も一般の人ができることではありません。

 維新の会の背後に支援者やシナリオライターが隠れているとしますと、維新の会の事例は”特別”であって、やはり、政党を造ることは難しいと言うことになります。何れにしましても、維新の会のような政党の粗製乱造ではなく、優れた政党が生まれ、そして、育ってゆく政治環境への変化こそ、望ましいのではないかと思うのです。

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