時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

維新の会で国民の選択肢は増えたのか

 大阪市長の橋下氏の率いる維新の会の登場によって、国民の政党の選択肢が一つ増えたとようにも見えます。しかしながら、本当のところは、その逆なのではないかと思うのです。

 維新の会への期待の高さは、既成政党に対する国民の不満の現れであるとされており、維新の会もまた、無党派層の支持の獲得に努めているようです。おそらく、時期の選挙では、維新の会は、既成政党か、新しい政党か、という対立軸を打ち立てて選挙戦に臨むことでしょう。しかしながら、この対立軸では、既成政党に不満を持つ有権者の選択肢は、維新の会しかありません。つまり、維新の会、一択になってしまうのです。

 この点に鑑みますと、むしろ、従来の政治に失望した日本国民の多くは、維新の会を支持するように追い込まれているとも言えます。国民の多くが、新たな政党の登場によって、選択肢が逆に狭められているというパラドックスに、気付くべきなのではないかと思うのです。

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