増税でも赤字―歳出削減が急務では

　内閣府の試算によりますと、消費税を10％に上げても、日本の財政は、９～１６兆円の赤字となるそうです。しかも、この試算、経済成長率を１～２％として計算しているようですが、ゼロ成長ともなりますと、さらに赤字幅が拡大してゆくことになります。

　実際に、民主党政権の基本的な政策方針は、経済成長よりも社会保障の充実です。増税分のほとんどが、社会保障費に費やされる一方で、経済成長を促す政策は、皆無に等しい状況です。目下、野田政権は、産業の空洞化政策に邁進中ですし、エネルギー政策も高コスト体質の強化に向かっているとしか言いようがありません。消費税率を上げれば、消費そのものも低迷する可能性があるのですから、１％や２％の成長率も怪しいところなのです。

　増税をしたところで、財政が火の車のままであれば、さらなる増税が待っていることになり、結局は、深刻な悪循環に直面します。民主党政権は、「大きな政府」政策の見直しこそ、急ぐべきなのではないでしょうか。予算を削減しても、その分、効率化を図れば、財政のスリム化を図ることはできると思うのです。

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