時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”子ども手当”は少子化対策となったのか

 報じられるところによりますと、昨年の出生率は、0.02%ほど上向いたものの、長期的な低下傾向には歯止めがかからないようです。”子ども手当(子どものための手当)”の目的は、少子化対策であったことを考えますと、”子ども手当”の政策効果は微々たるもののようです。

 ”手当の額が少ないから”とする理由づけもあるとは思いますが、出生率の低下は、財政支援では解決しないのではないかと思うのです。むしろ、”子ども手当”による財政の悪化は、将来世代の負担増を意味していますし、かりに、財政破綻でも起こそうものなら、将来の子どもたちの生活は、現在の生活レベルを下回る可能性もあります。手当の支給により、個々の家庭レベルでの収入が増えたとしても、国家レベルで不安定化すれば、結局、安心して子育てできる環境は整備されていないことになります。

 このように考えますと、ばらまき型の”子ども手当”よりも、日本国の長期的な安定化に向けた取り組みを強化するほうが、よほど、出生率を押し上げかもしれません。例えば、現役世代に”ばらまく”よりも、生涯の生活を安定させるために、公的年金の世代間格差問題を、若年層の老後の支給額を高める方向で解決してはどうかと思うのです。

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