時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

財源なき子ども手当は亡国への道

 民主党政権では、子ども手当を支給する根拠として、ヨーロッパ諸国の事例を引き合いに出してきました。しかしながら、ドイツやフランスといった子ども手当の制度を設けている諸国の財政は、我が国のような危機的な状況にあるわけではありません。

 何故ならば、ユーロを導入している諸国は、ユーロの通貨価値を維持するために財政協定を締結し、条約によって、各国政府は、厳格な財政運営が義務付けられているからです。納税による財源を確保した上で、財政を傷めない範囲で給付政策を実施しているのであり、我が国のように、数兆円もの国債を発行することなど、制度的に不可能なのです。もし、子ども手当が預金にされるとしますと、国民の預金が国債になり、その国債を資源に給付が行われ、それがまた預金にまわるという悪循環ができるだけです。しかも、預金の主が、一般の家庭から子どもがいる家庭に移ったに過ぎませんし、増税しない限り、政府の借金は膨れ上がってゆく一方です。

 民主党政権では、財政規律もないままに、国債を財源に、相次いで多額の予算を要する給付政策を実施することには理解に苦しみます。財政事情が違うにもかかわらず、無理に制度だけを真似ますと、近い将来に破綻してしまうのではないかと思うのです。

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