時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

子ども手当―”国籍条項”が国民を排除する怪

 子ども手当法案が衆参両院を通過したことで、6月から子ども手当の給付が始まるようです。この法案には、外国に住む外国人の子どもには支給されながら、日本人が給付対象から排除されるという欠点が指摘されてきましたが、そもそも”国籍条項”なるものが存在していることにも問題があると思うのです。

 日本国の法律である限り、国内法上の法人格を持つ全ての日本国民が対象となることは法理上当然のことです。あえて何も書かなくても、法律は、当然に全国民を適用対象としていると想定されているのです。ところが、何時の頃からか、”国籍条項”なるものが、この大原則を壊す方向に働くようになりました。おそらく、外国人にも我が国の法律を適用するために、”国籍条項”を外すという手段が採られたのでしょう。やがて、”国籍条項”は独り歩きを始め、”国籍条項”付されていない法律は、日本人でも法律の適用から外れるという不条理が発生してしまったのです。

 これでは、国家と国民との間の法律上の関係が、断ち切られてしまうことになります(憲法違反では・・)。子ども手当法案の成立が、国民を排除する法律を制定できることを示した格好となりますと、これは、悪しき前例となりかねません。まずは、問題の発生源である”国籍条項”の問題を整理した上で、正常化すべく議論すべきと思うのです。

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