時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

18歳以上の選挙権―人の精神の成長過程の考慮を

 政府は、選挙権年齢を18歳以上に引き上げる法案の提出を検討しているようです。しかしながら、18歳と決めつける前に、人の精神の成長過程についての議論があってもよいと思うのです。

 政府が、18歳に拘る理由は、おそらく、”諸外国が18歳だから“ということ過ぎず、然したる合理的な根拠はないのかもしれません。あるいは、18歳の方が、民主党の支持者が増えるのではないか、と期待している節もあります。何故ならば、若年である方が、理想主義的な主義主張に、流されやすいからです。社会主義諸国では、しばしば青少年を政治活動に動員していますし、恐るべきヒトラー・ユーゲント紅衛兵も、独裁者を無批判に崇める熱狂的な青年たちでした。こうした事例を見ますと、10代の後半ぐらいまでは、人間の精神は、いまだ混乱を伴う成長過程にあるのではないかと思うのです。

 その時期を通りすぎますと、冷静かつ客観的に自己のまわりの世界を眺められるようになるとしますと、果たして、18歳という年齢が、政治判断に適しているのか、考えてみる必要はありそうです。政治判断とは、他者の運命をも左右するのですから、選挙権を持つ人は、精神的にも”成人”であったほうがよいのではないかと思うのです。

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