時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

消費増税―シミュレーションなき政治決定

 昨日、消費税増税法案が衆議院で可決されました、消費税が経済に与える影響を考慮しますと、純粋な経済現象としての客観的な増税予測があってもよかったのではないかとも思うのです。

 政界では、増税に対する支持派対反対派の対立構図が、すっかり、主流派対小沢派の対立に置き換えられてしまい、増税そのもに対する議論がなおざりにされてしまいました。財政の無駄を削減することもなく、不公平税制が是正されることもなく、増税だけを国民に求める法案については、小沢派の支持者以外にも、疑問を持つ国民も少なくありません。消費増税については、景気の動向や消費者心理の変化によって、将来的に財政が安定化するシナリオもあれば、逆に、税収が減少するシナリオもあり得ます。政府は、それぞれのシナリオについて、国民に丁寧に説明すべきですし、消費増税によるマイナス影響が発生した場合の対処法についても、事前に準備して提示しておくべきでもあります。

 世界第二位に後退したとはいえ、スパコンには、こうした増税シミュレーションでの活用を期待したいところですが(スパコンでなくても可能…)、民主党内の支離滅裂な混乱が、むしろ、冷静な増税議論を阻害したとしますと、これもまた、民主党の戦略ではなかったと、つい、疑ってしまうのです。

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