時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「平清盛」―平安時代の捏造?

 先日放映されたNHK大河ドラマ平清盛」は、またしても、最低視聴率を記録したそうです。その理由の一つに、平安時代の捏造があるのではないかと思うのです。

 NHKは、リアリティーを追求したと説明していますが、ドラマに描かれている平安末の光景は、日本人が抱く都のイメージからあまりにかけ離れています。コンスターチをふんだんに使った”土ぼこり”の演出こそ、NHKの言うリアリティーなのでしょうが、三方を山で囲まれ、水にも恵まれた京の都が、土埃の舞う汚い街であったはずはありません。古来、朝廷は、都を選定するに際しては、山紫水明な土地を慎重に選んでおり、飛鳥京に至っては、古代にありながら、水路を張り巡らするなど、水利にも気を配っていたことで知られています。「かぜそよぐ ならのをがはのゆふぐれは みそぎぞなつのしるしなりける」。百人一首にも選ばれた従二位家隆(保元の乱頃に出生)の歌は、きよらな都の風景を読み込んだ歌でもあります。

 リアリティーは表向きの言い訳であって、その実、NHKは、平安時代の都を捏造し、国民に誤ったイメージを植え付けようとしてるのではないかと思うのです。視聴率の低さは、NHKの魂胆を国民が見破っているからなのではないでしょうか。

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