時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

消費増税は税収増加を約束しない

 以前にも本ブログで書いたことなのですが、消費増税は、必ずしも税収増加を約束しないのではないでしょうか。昨日の民・自・公の3党合意により、増税法案の成立は、既定路線化したかのようですが、この点を、政治家の方々は、どのように考えているのでしょうか。

 増税の目的は、財政を健全化し、日本国債の信用を強化することにあります。IMFもまた、この観点から、日本国に対して消費税15%アップの提言を行っています。しかしながら、消費税による税収は、国民の消費総額と消費量に連動しますので(消費税による歳入額=(消費税率×商品価格×消費個数)の総和)、価格を一定とすれば、消費税率を上げても、消費個数が大幅に減少すれば、歳入額は増加しないのです。言い換えますと、税収アップどころか、消費増税は、消費減退で相殺されてしまうか、最悪の場合には、減少してしまう可能性も否定できません。消費税は、昔の年貢のように、政府と国民との間の生産物の”取分”によって決定されるものではなく、国民の消費活動連動型の税なのです。

 悪名高い小沢氏が増税反対を主張したことで、一般の国民が、賛同し難い状況にありますが、消費税の特徴を踏まえますと、慎重な対応が必要です。増税より先に、”ばらまき政策”で肥大化した財政のスリム化策を実施してもよいのではないかと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>