時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北京オリンピック後の中国を待つ茨の道

 オリンピック開会式での誤魔化しのみならず、体操女子では、ついに、選手の年齢疑惑に対する調査が始まると言います。次々と発覚する中国の国家ぐるみの偽装・偽造事件は、北京オリンピック後の中国に、重く苦しい課題を残しそうです。

 この重く苦しい課題とは、自国の信頼を回復することです。国家の作った公式の書類に誤りがあったとなりますと、今後は、いくら中国政府のお墨付きとはいえ、誰も、公式書類の記載内容を信じなくなります。オオカミ少年のお話と同じで、うそをつき続けていますと、譬え事実であったとしても、うそと思われてしまうのです。この点は、中国経済にマイナス影響を与えるかもしれません。何故ならば、市場経済とは、基本的には、信用や信頼によって成り立っているからです。政治的に何もかもが粉飾されるようでは、中国市場を、誰もがリスクの高い市場と見なすことになりましょう。

 一時の華やかさは、永遠ではなく、オリンピックとともに消えてしまいます。そうして、その後には、信頼の回復という、長くて苦しい道が、中国を待っているのです。

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