時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

靖国神社―御霊は何処へ

 靖国神社については、神道の流れにおいて異質であり、それ故に、当神社に御霊を祀るべきではない、という意見があることを、最近になって知りました。しかしながら、御霊の鎮まるところにあって、祭祀を行うべきことを考えますと、むやみに慰霊の行う所を変えてよいのか、疑問に思うのです。

 戦前にあって、軍人や兵士となられた方々は、死しても祖国の靖国神社に祀られることを信じて戦地に赴かれたはずです。もし、人間の死後に魂が残るとしますと、”靖国で会おう”を合言葉としたのですから、英霊は、靖国神社に集ったと考えるのが自然なように思うのです。もちろん、御霊が、家族の元を訪れたこともありましょうし、残された人々を守っていることもありましょう。しかしながら、魂実在論に立ちますと、やはり、靖国神社での慰霊が最も相応しく、また、亡くなられた方々の気持にも応えるものであると考えられるのです。

 慰霊の行為とは、亡き人々の悼み、その魂を鎮めることにあります。無宗教の代替施設や靖国神社否定論もありますが、優先して考えるべきことは、現在に生きている人々の思惑や自己満足ではなく、亡き人々の望みに沿うことにあると思うのです。

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