時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

本当に恐ろしいのは国債の利払い?

 世論調査によりますと、国民の過半数が、景気対策を目的とした大型の財政出動を望んでいると言います。選挙が近づくにつれ、”ばらまき”政策への回帰が心配されるところですが、本当に恐ろしいのは、むしろ、国債の利払い問題なのではないか、とも思うのです。

 何故ならば、累積の国債残高が膨大な額に上りますと、利払いの額もまた、尋常ではなくなるからです。現在でも、利払いは、9兆円余りにも達し、政策予算を圧迫しています。つまり、国民が納めた税金の5分の1ほどが、利払いで消えていることになるのです(その殆どが金融機関が保有・・・)。しかも、国債金利は、日銀の公定歩合の変更などによって変化し、僅かな変動でも、長期的にみますと大きな利払い負担が生じます。

 財政再建は、将来の国民に負担を残さない、ということで進められていますが、現在の国民にも大きな負担を課していることを忘れてはならないと思うのです。つまり、国債残高を減らせば減らすほど、実は、国民の負担も軽減されてゆくのです。この側面を考えますと、国民は、安易に財政出動を政府に求めてはならないと思うのです。

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