時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

与野党でジョブ・バンク構想の検討を

 本月5日に、民主党の管氏は、地方自治体が、雇用対策として直接に失業状態にある人々を雇い入れるという「ジョブ・バンク構想」を打ち上げたと言います。諸外国に先例があるそうですが、お仕事の内容は、介護や環境といった自治体の一般的な行政サービスとなるようです。この構想は、新たな雇用調整システムの一つとして、検討に値するのではないか、と思うのです。

 本来、民間において雇用が十分に確保されていることが望ましいのですが、不景気となりますと、企業は、コストの圧縮を図るために、人員削減を行う傾向にあります。もちろん、雇用を維持する企業努力は必要であり、12月10日の記事で述べたように、社内における配置転換、研修、技能訓練の強化などを通して、人材の温存と能力向上に努めるべきでしょう。しかしながら、その一方で、図らずも職を失った人々に対しては、最後の命綱となるべきセーフティーネットを設ける必要があると思うのです。

 どの地方自治も、探せばいくらでも仕事はあると思います。介護や環境のみならず、保育所での育児の手伝い、学校での教員の補助、地域のパトロール、あるいは、山間部の過疎地への農林業の斡旋など、アイディアはいくらでも湧いてきます。さらに、都市のジョブ・バンクが、地方のジョブ・バンクに人材を紹介するシステムをつくれば、地方の活性化にも貢献するかもしれません。ジョブ・バンクにあっては、利用する人々の希望を聞き、適材適所となるように人材を配置されることになるのです。上手にシステムが運営されれば、不況期にあっても、行政サービスと生活環境が改善され、国土の有効利用にも役立つかもしれないのです。また、生活保護の受給者に対しても、同様の方法で仕事の提供ができれば、社会保障費の削減にも繋がることになりましょう。公共のお仕事であれば、納税者からの不満も抑えられるはずです。

 以上にメリットのみを述べましたが、もししますと、企業の解雇を促進してしまうというデメリットもあるかもしれません。しかしながら、不況の深刻化が懸念される中、本構想は、一考の価値があると思うのです。

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