時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

宗教団体が支持する政党は合憲なのか?

 特定の宗教団体が国家権力を用いて布教活動をすることを違憲とした内閣法制局の答弁が、昨日、閣議決定で撤回されたと報じられています。加えて、この答弁では、”宗教団体が支援する政党に属する者が国政を担当しても、団体が政治権力を行使することにならない”という政府見解を改めて示したそうです。ところで、この政府見解は、本当に憲法に合致しているのでしょうか。

 政府が示している見解には、以下のような問題点があります。

1)政府見解は、個人の信仰と教団の活動とを区別していないこと。個人として特定の宗教を信仰することは、信教の自由により保障されおりますが、一方、教団が、集団として政治活動をする場合には、政教分離の原則に反することになります。

2)政府見解は、根拠もなく、間接的な権力行使を承認していること。憲法第20条1項後段には、「・・・いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は、政治上の権力を行使してはならない」とあります。この条文には、”宗教団体”とあり、直接であれ、間接であれ、いかなる宗教団体も、政治権力を行使してはならないはずです。教団の下部組織として政党が設立されている場合、間接的な政治権力の行使と考えられます。

 創価学会公明党との関係は、選挙活動において既に立証されており、教団が、政治に介入していることは疑いの余地がありません。国民の多くも憲法違反を疑っており、政府の見解は、国民を納得させることはできないと思うのです。政府が見解を見直すつもりがないのならば、やはり、最高裁判に違憲審査を求めるしかないのかもしれません。

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