時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日教組問題解決への第一歩か

 報道によりますと、反日教組議連の顧問に、日教組批判発言で国交相を辞任された中山成彬氏が就任すると言います。ようやく、日教組問題解決に向けての第一歩が踏み出されたようですが、考えても見ますと、戦後、60年もの間、日教組問題に対して何らの対策も講じることができなかったことは、不思議なことです。

 その理由は、戦後、教育委員会制度を設けるなど、政治と教育との制度的な分離が、積極的に進められたからと考えられます。教育基本法第8条2項には、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治活動をしてはならない」と定めています。教育を中立化することによって、政治による教育利用を封じようとしたのでしょう。しかしながら、その反面、強い独立性を与えますと、誰も教育現場の暴走を外部から止められなくなるという欠点があります。実際に、日教組の政治活動によって教育の中立性が損なわれているにも拘わらず、制度によってその活動が守られてきたのであり、当然に、内部は荒れるに任されることになったのです。

 このような状態では、国民は、不満の訴えようもありません。国民は、教育委員会に対して解職請求はできますが、同委員会は、教育現場の不満や苦情を処理する機関ではありません。また、政治の側でも、教育の中立性に鑑みて、教育問題の政治化を避けてきたと言えましょう。この結果、教育問題は、日教組の越権行為があろうとも、文部官僚の独断にによる学力低下が起きようとも、そのまま放置されてきたのです。

 現状のシステムでは、やはり政治家が、教育問題に取り組まないことには、誰も動きそうにありません。議員による取り組みが、教育問題解決への第一歩となることを望むとともに、国民の声が教育の現場に届くシステムを考えてゆくべきと思うのです。

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