時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国籍法改正案の可決は国会の汚点

 数え切れないほどの危険性が指摘されていながら、国籍法改正案は、参議院の本会議において可決されたと言います。もしかしますと、日本国という国家の存亡にかかわる法改正でありながら・・・。本法案の可決は、日本国の民主主義に、そうして、日本国の国会の汚点になったのではないか、と思うのです。

1.国民の声を無視したこと。
 本件については、国民多数から反対の声が挙がり、国会議員に多くのFAXやメールが寄せられたと伝えられています。もし、民主主義の精神を国会議員が持っているならば、当然に、この声に耳を傾けたはずです。しかしながら、国会議員の方々は、この声を無視しました。

2.審議が十分でなかったこと。
 重要法案でありながら、本法案の審議は、わずか三日という異例の短さであったと言われています。当然に、問題点が全て洗われて議論されたわけでもなく、この短さは、審議が、茶番であったことを物語っています。

3.国民に説明しなかったこと。
 本法案が悪用された場合、その被害は、国家と国民に及びます。議会には説明責任がありますので、これを怠ったことは、重大な義務不履行に当たります。

4.マニフェストに記載がなかったこと。
 本法案は、国家や国民の将来の行くへに影響を与える内容でありながら、マニフェストに記載がありませんでした。国民の知らないうちに突然に法案を通すことは、国民に対する裏切りとなります。

 薬害エイズや薬害肝炎などの訴訟においては、国が、危険性を見逃したことが責任問題として問われました。もし、国会で制定した法律が、国家や国民に被害を与えたとしましたら、一体、誰が責任をとるのでしょうか。選挙が、国会議員への白紙委任とならないよう、今後は、制度改革を進めなくてはならないと思うのです。

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