時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ヘイト殺人事件の頻発は偶然なのか?

 昨日、相模原市障害者施設「津久井やまゆり園」おいて起きた殺人事件は、深夜に無抵抗な障害者の人々を狙った極めて残忍で卑怯な手口による犯行でした。日本国内では大量殺人事件は稀であるため、海外でも大きく報じられたそうです。
 
 ところが、因果関係のはっきりしている殺人事件とは違い、当事件には、どこか不可解な面があります。犯人の動機は、障害者に対する”ヘイト”なそうですが、ネット情報から垣間見られる事件の様相には、ある特徴があります。ネット情報によりますと、犯人は、日本人なのか、どうかも特定できないそうです。ドイツで発生したイラン系の若者による大量殺人事件でも、”私はドイツ人だ”と叫んだそうなのですが、ここでも、犯人の出自がはっきせず、混乱工作が疑われます(整形手術を施すのも不自然…)。父親は教員との情報もありますが、教員資格に国籍条項を外している自治体もあり、職業だけでは判別できず、母親についても不明です。また、衆議院議長に宛てた手紙は、思想的には極右の立場から認められているそうですが、過去の言動からは、革命を起こすといった極左的な発言もあったそうです。犯人に関する情報は錯綜し、誰もが、真の背景を知ることができないのです。言い換えますと、敢えて、人々が恐怖を抱き、混乱する状態が造り出されているとも言えます。

 アメリカでも、人種対立を激化させるようなヘイト事件が頻発しており、ニースで大量殺害事件が起きたばかりのフランスでも、同日、カトリックの神父が殺害される事件が起きています。テロや大量殺人がかくも頻繁に発生するに至ったのは、単なる偶然なのでしょうか。何れの事件も、人種、民族、宗教、性差、障害の有無…といった違いを背景としたヘイト殺人として実行されており、共通点が見え隠れするのです。マスコミは、国民が事件の全容を理解するに不可欠となる肝心要の情報を、国民に知らせていないのではないでしょうか。

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