時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

暴露合戦になった都知事選

 今般の都知事選は、東京都知事を選出するという選挙本来の意義を越えて、番外編ともいうべき事態に発展しているように思えます。都知事選は、日本の闇が炙り出される一つの舞台を提供されているかのようなのです。

 何故、番外編が登場したのかと申しますと、それは、公人を選ぶ以上、国民が、判断基準とすべき候補者に関する情報を求めるようになったからです。鳥越候補に関しては、週刊誌などでは、スキャンダルが連載されております。その一方で、スキャンダルに加えてネット上で関心を集めていたのは、、出自や経歴に関する捏造疑惑です。NHKの「ファミリーヒストリー」という番組に出演した際に、鳥越氏の祖先は、大友宗麟の家臣と紹介されましたが、後にこの説は否定されています。なお、この番組では、大陸から復員した父親が、共産党自己批判会のような家族会議を毎晩開催していたとありましたが、共産主義による洗脳も疑われます。また、最近では、京都大学出身とされながら、所属した学部学科が実在せず、学歴詐称も疑われております。野党4党が揃って擁立した候補でありながら、かくも疑惑に満ちていますと、日本国の政治の信頼性が著しく損なわれると共に、鳥越候補の活動の場であったマスコミに対する不信感も深まります。その一方で、対極ともいうべき立場にある「在特会」からは、櫻井候補も立候補しており、都知事選は、戦後のタブーを破るかのように、あたかも暴露合戦の様相をも呈しているのです(情報戦に…)。

 今般の都知事選は、戦後70年を経た今日、あらゆる情報が錯綜する混沌とした世相を映し出しているかのようです。そして、この情報の錯綜こそ、マスコミが報じる通り一遍の情報を鵜呑みにせず、事実を知ろうとする国民の健全な意欲の表れなのかもしれません。事実を知らなければ、適切な判断はできないのですから。

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