英国のEU離脱問題が問う移民の流入は経済縮小か拡大か
今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。前回7月1日付の本ブログにおきまして、『聖書』「暴露録」に登場し、人類を動物化させようとする「赤いドラゴンthe red dragon」の計画は、英国のEUからの離脱によって狂ってきているのではないか、と述べました。このように述べることができる理由は、英国のEUからの離脱問題が、移民問題に起因していることにあります。
今日、移民問題は、世界各国におきまして既に問題化しておりますが、その脅威は、移民側が、既存の国民の過半数を超えた時点で、政治的・文化的に急激に顕在化してくることになります。仮に、ある特定の国からの移民が受け入れ国の国民の過半数を越えますと、普通選挙制度のもとに、国家意思の決定も含めて、受け入れ国は、その移民の送り出し国に占領された状態となり、文化的にも、‘その国らしさ’は消滅、もしくは、薄れてしまいます。また、複数の国々からの移民である場合におきましても、「最小公倍数」という用語がありますように、移民社会における人々の‘共感点’は極めて狭い範囲となるため、単純、本能的で、‘うすっぺらな人間’、まさに、「赤いドラゴンthe red dragon」が望むような動物的な人間の集まりとなってしまうのです。
移民の増加は、政治や文化面における危機に留まりません。ここで、注目すべきことは、世界各国が築いてきた歴史や文化には、その国のみならず、世界規模におきまして、極めて大きな‘経済効果’がある、ということです。遺跡、文化財、伝統文化は、観光資源となるにとどまらず、「英国ヴィクトリア時代風スタイル」、「フランス料理」、「北欧風デザイン」、そして、「和風」といった表現があることに示されますように、あらゆる業界のデザイン・工業デザイン、ならびに、飲食業などにおきましても、有形無形において、さまざまな産業分野、成長分野をもたらし、世界経済に大いに貢献しているのです。
現時点におきましては、世界各国の様々な固有の歴史と文化は、‘経済効果’として機能しておりますが、移民の増加によって、その国固有の文化が失われたり、‘うすっぺらな人間’のみによって社会が構成されるようになってしまいますと、‘その国らしさ’、ならびに、‘世界各国の歴史や文化を深く理解する感性’が失われてしまうことになり、こうした固有の文化に根差した生産物を生み出す人材も、そして、それらを理解・評価して購入する消費者も減少してしまうことになるのです。すなわち、経済規模は縮小するのです。
このように考えますと、現時点では、英国がEUから離脱することは、経済的にマイナスであり、残留すれば、プラスになると言われておりますが、果たして、本当に、離脱によってマイナスとなるのでしょうか。長期的に見ますと、EU諸国では、移民の増加によって歴史と文化が崩壊し、経済規模が縮小してゆく可能性がありますので、英国のEUから離脱の選択は、賢明であった、と言うことができることになるのかもしれないのです。
かつて、預言者・ヨハネは、「神の啓示」を受けて、数千年後の人類の世界を予測する、という長期的視野に立って『聖書』の「暴露録(黙示録)」を著しました。人類にとりまして、何事につけ、長期的観点から物事を判断するということは、極めて重要なことなのではないでしょうか。
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(続く)