時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国共産党と日本左翼の真逆の自己中心主義

 今月1日に、北京で開催された中国共産党創設95周辺の祝賀大会において、習主席は、自国の利益のためには、如何なる譲歩もしない覚悟を示しました。この発言は、無法国家宣言であると同時に、侵略をも肯定する暴力主義宣言でもあります。

 共産主義思想におけるプロレタリアート独裁とは、そもそも法の拘束力さえ否定していますので、到底、人間社会のものとは思えません。自らの欲するままに行動し、暴力を以って他者を従わせるのが、共産主義の流儀のようなのです。究極の自己中心なのですが、この自己中心は、逆の意味で日本の左翼とも共通しています。何故ならば、日本国の左翼も、自分達が戦争を起こさなければ、戦争は起きないと信じているからです。この考え方では、他国から一方的に攻撃されるという状況を全く想定していません。憲法第9条さえ守っていれば、どの国からも攻撃されないと主張しているのです。否、戦わずして(戦争回避…)、黙って白旗を挙げて征服されよ、と説いているのでしょうか。

 仮に、安全保障を左翼に任せますと、暴力主義と非暴力主義という、両極の自己中心主義が一致するわけですから、その結果は、火を見るよりも明らかです。何れの自己中心主義であれ、他国の存在を無視する思想は、国際社会にとりまして危険極まりないと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。