時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国の原発大量増設のリスク

 報道によりますと、「九段線」の主張を完全に否定した仲裁判決にも拘わらず、南シナ海において軍事拠点化を貫く構えの中国は、海上浮動式の原子力発電所を建設する予定なそうです。中国が、原発建設を急ぐ背景には、一体、何があるのでしょうか。
 
 海上浮動式原発のみならず、中国は、本土においても原発建設を積極的に推進しています。将来的には、2050年までに400基ほども建設する計画があるとされており、驚異的な数です。もっとも、中国の人口は、凡そ13億とされていますので、民生用だけでも莫大な電力を要することは確かです。しかも、ハイアールがGMの家電部を、美的集団が東芝の家電部を買収したように、今後、中国は、家電製品の更なる普及を図る方針なのでしょう。しかしながら、その一方で懸念されるのは、軍事用の電力供給体制の構築です。何故ならば、未来の戦争において勝敗のカギを握るハイテク兵器は、レーザー兵器であるとされているからです。中国が、レーザー兵器の開発を至上命題としているのは、理研との共同研究で問題視されたように、その行動からも窺えます。石油資源に懸念のある中国が、戦時における封鎖を予測して、石油依存度の低い兵器に傾斜するのも理解に難くありません。レーザー兵器は、大量の電力を消費するため、中国は、先を見越して同兵器用の供給体制を整備していると推測されるのです。
 
 一方、日本国では、原発の再稼働もままならず、数年前までは、レーザー技術でトップクラスの成果を上げていながら、中国に追いつかれつつあります。南シナ海での仲裁判決を拒絶した中国は、軍事的冒険主義に走る可能性もあり、日本国は、万が一に備えた対策を急ぐべきではないかと思うのです。

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