時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

常設国際仲裁裁判所の中華人民共和国への判決は『聖書』「暴露録(黙示録)」の観点からも興味深い

 今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。本日未明、常設国際仲裁裁判所にて、フィリピンの提訴の下、国連海洋法条約上の違法性が争われている中華人民共和国による南シナ海での行動についての判決が下されます。
 
本ブログにて、『聖書』「暴露録(黙示録)」と現在の国際情勢との関連を扱ってきておりますが、この問題におきまして、鍵となるのは、人類社会における「裁判」の役割です。『聖書』「創世記」によりますと、アダムとイヴは、「善悪を知る木the tree of knowledge of good and evil」の果実を食したことにより、善悪の判断ができるようになり、人類には、善悪の判断能力を備えた「神様志向型人類god (goddess)-minded human」が生じることになります。

人類史を振り返ってみますと、特に、キリスト教世界では、この「神様志向型人類god (goddess)-minded human」の人々によって牽引された形で、その社会や国家が構築されてきており、その善悪の判断能力を以って、裁判を通して悪者を裁くことが、社会の浄化に繋がり、個々人の基本的権利や自由が守られる社会が構築・維持されてきた、と言うことができます。公平な裁判は、よりよき社会・世界を築くための鍵となる重要な役割を果たしているのです。
 
そこで、『聖書』「暴露録(黙示録)」からは、このような、「神様志向型人類god (goddess)-minded human」によって築かれてきた社会・世界を壊そうとするのが、サタンである、ということになります。すなわち、『聖書』「暴露録(黙示録)」は、イエス・キリストに象徴される「神様志向型人類god (goddess)-minded human」と、人類を奴隷化し、「神様志向型人類god (goddess)-minded human」を地球上から抹殺するために世界最終戦争を計画しているサタン、ならびに、その配下の「赤いドラゴンthe red dragon」、「野獣beasts」、「偽預言者false prophet」’との間の争いを軸に展開しているのです。しかしながら、最終的に、神様による裁判によって、すなわち、神様の善悪の判断によって、サタン側が‘悪’と裁定され、サタンは、地獄に墜ちることになるのです。
 
このことは、「最後の審判の日」の直前の世界におきましては、人間による裁判が、うまく機能しなくなってくる可能性を示唆しております。すなわち、サタンは、裁判所までも支配するようになり、もはや裁判所の判決は、悪を裁くことにはならなくなる可能性があるのです。
 
フィリピンと中華人民共和国間の南シナ海の諸島・岩礁をめぐる領土問題をめぐりましては、中華人民共和国は、国際法に違反し、武力さえ用いるといった卑劣な方法で、当該地域に対して領有権を主張するようになっており、このような経緯を踏まえますと、中華人民共和国は、明らかに、悪である、と言うことができます。にもかかわらず、仮に、中華人民共和国に有利な判決が下れば、人間による裁判機能が働いていないことになり、神様による審判が必要とされる「最後の審判の日」は近いことになります。しかし、仮に、中華人民共和国に不利な判決が下れば、人間による裁判機能は、まだ働いていることになり、「最後の審判の日」は、先のこととなるでしょう。
 
果たして、本日、常設国際仲裁裁判所は、どのような判決を下すのか、『聖書』「暴露録(黙示録)」の観点からも、大変興味深い、と言うことができます。
 
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(続く)