時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

残念な新人議員の”雑巾がけ”発言

 今月10日に実施された参議院議員選挙では、44人の新人が当選したそうです。マスメディアからの取材も多いこともあり、特にタレント議員は注目されがちですが、首を捻らざるを得ない発言も少なくありません。

 中でも驚かされたのは、”雑巾がけ”発言です。新人としての謙虚さからの発言なのでしょうが、国民の立場からしますと、唖然とさせられます。何故ならば、国民は、議員に対して”雑巾がけ”を期待しているわけではないからです。もちろん、文字通りの雑巾がけではなく、”見習い、あるいは、簡単な仕事から始める”、という意味なのでしょうが、日本国の国会議員の歳費は、各種手当を含めて総額4200万円程の高額であり、世界でも最高水準なそうです。少なくとも歳費を定めた法律は、国会議員の職を、高度にプロフェッショナルな職業と見なしており、高額の歳費は、その職責の重さに見合った報酬です。”雑巾がけ”のために高額の歳費負担に納得する国民は、そう多くはないはずです。また、”仕事らしい仕事はできない”とする自覚があるならば、立候補を見送る方がよほど良心的です。あるいは、しっかりと政治家としての能力を磨き、政策立案や立法に必要となる知識を身に着けてから立候補すべきでした。

 昨日、東京都知事選への立候補を表明した鳥越俊太郎氏も、記者会見の席では、具体的な政策等については殆ど何も語らなかったそうです。”当選してから…”ということなのでしょうが、立候補者の意識の低さにおいて共通しています。それともやはり、政治家は、然したる仕事はしていないのでしょうか…。

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