時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北朝鮮に見る外交の限界

 今月23日に起きた北朝鮮による延坪島砲撃事件の一報が伝わると、外交努力が足りない、とする批判が寄せられるものです。しかしながら、相手が北朝鮮となりますと、外交力には限界があると思うのです。

 外交とは、相互の信頼と合意事項の相互順守の確信があってこそ、成り立つものです。ところが、北朝鮮の外交に対する認識は、一般の諸国とは著しく違っており、言葉で相手を騙す手段か、時間稼ぎのチャンスとししてしか捉えていないようなのです。六カ国会議が設けられても、北朝鮮だけが、自分勝手に別のゲームをしているようなものであり、合意事項も空文化することは時間の問題です。判断の基準は、自国にとって都合がよいか、悪かしかないのですから。

 核放棄に向けた交渉の努力も泡と消えた今、北朝鮮は、砲撃行為によって、自らの選択肢も、相手方の選択肢も、両者とも狭めているとしか言いようがありません。北朝鮮は、自ら滅びに向かって突き進んでいるように思えるのです。

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