時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

政治責任より発言責任が重い不思議

 大臣の国会答弁を揶揄した発言は軽率として、柳田法相に辞任を求める声が上がっているようです。確かに、この発言には、法務大臣としての無責任さと不誠実さが感じられるのですが、民主党政権の閣僚が、尽く政治責任を取らないことも問題です。

 尖閣諸島沖の事件では、中国漁船船長の釈放による国益の損失の責任は曖昧となり、張本人であるはずの仙谷官房長官は、素知らぬ顔を決め込んでいます。テロ情報の流出でも、岡崎国家公安委員長は、委員長の椅子にしがみついたまま謝罪の一言もありません。ロシア大統領の北方領土訪問に際しても、前原外相は政治責任を取ろうとはしませんでした。法相の発言は、不愉快ではあっても実害はありませんが、後者の失政は、国益を直撃します。

 国益に損害を与えた政治的な失敗では閣僚の辞任はなく、失言であっさり辞任では、責任の重みが逆なのではないかと思うのです。

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