時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北朝鮮―ゼロ回答でも制裁緩和?

 本日の新聞の朝刊に、岡田外相が、拉致被害者家族会の方々に、北朝鮮に対して拉致被害者の再調査を求める用意があることを伝えたとの報道がありました。確かに、再調査を求めることは政府がなすべきことですが、北朝鮮が再調査に着手した時点で、”見返り”として制裁を一部緩和するという方針は、北朝鮮を利するだけになのではないでしょうか。

 こうした光景は、デジャブーの如く、何度となく繰り返し見てきたように思われます。”あめ”を約束することで北朝鮮の譲歩を引き出しているようで、実のところは、”あめ”だけとられてしまうという・・・。今回もまた、北朝鮮は、再調査を行ったポーズだけを見せるか、あるいは、偽の証拠を持ち出して、事件の幕引きを図るかもしれません。しかも、制裁の一部緩和の時期が、再調査に”着手した時点”であれば、たとえゼロ回答であったとしても、北朝鮮は、制裁緩和の利益を得ることになります。

 政治家とは、相手国の行動パターンをよく観察し、その性質を見抜いて政策を決めるべきです。何度も同じ手法で騙されては、日本国政府が、学習能力がないことを内外に示すに等しくなります。相手が北朝鮮であることを考慮し、拉致被害者全員を帰国させ、かつ、核開発を放棄しない限り、制裁は、緩和すべきではないと思うのです。

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