時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党の訪中団―聖徳太子の外交方針を忘れるなかれ

 聖徳太子の実在が議論されつつも、倭国の”多利思比孤”が隋の煬帝に対して、”日のいずるところの天子、日の没するところの天子に書をいたす。つつがなきや”と記した書簡を送り、隋との対等な外交関係を宣言したことは、誰もが知るお話です。この精神は、その後の日本国の外交方針にも貫かれており、ことあるごとに、朝廷も幕府も対中関係には細心の注意を払ってきました。属国にならないように。

 ところが、民主党小沢幹事長は、この日本国の伝統的な外交原則を全く無視しているようなのです。600人もの数に上る国会議員や関係者を率いて、あたかも朝貢団と見まごうばかりに、北京詣でに出向いたのですから、あきれてものが言えません。昨日のテレビの映像は、この意味で衝撃的でもありました。胡主席と握手し、一緒に写真に収まるろうとする議員たちの媚びた顔は、もはや、独立国家である日本国の国会議員には見えなかったからです。

 中国歴代王朝は、外国を支配下におくに先だって、まずは、ターゲットとなる国の人物の取り込みから始める傾向にあります。その人物が、国民に不人気ゆえに、強力な後ろ盾を必要とする状況にあれば、申し分ありません。権力欲をくすぐり、権力基盤を与えることで、戦わずしてその国を操縦することができるのですから。現在の状況は、まさに、日本国が取り込まれる危機にあることを示しています。今一度、日本国の政治家は、独立を守り抜いた先人の偉業を思い起こすべきと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>