時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国債の利払いリスクに要注意

 昨日、追加経済対策費として、7.2兆円の財政出動が報じられていました。その財源の内訳として、1兆円分は、低金利のため国債の利払いが予測以下の額となったため、と説明されていたのですが、このお話、もろ手を挙げて喜べないと思うのです。

 と申しますのは、金利のわずかな変動によって、利払いに1兆円もの差が出ることを示しているからです。今回は、金利低下のために1兆円が浮いて財政が助かったわけですが、反対の現象が起きるということは大いにあり得ることです。つまり、今後、金利が上昇する事態が発生しますと、財政状況は、さらなる利払い増加によって急激に悪化する怖れがあるのです。

 現状でも、予算の内の9兆円ほどであり、来年度の税収が39兆円ほどと見込まれていますので、その大きさの程が伺えます。加えて、赤字国債の発行額が53兆円とも言われており、金利上昇の局面は充分に起こりえます。政府は、リスクの軽減をはかるべく、さらなる財政削減に取り組み、国債発行額を極力抑えるべきと思うのです。

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