時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党政権の巨額国債発行に唖然

 行政刷新会議の仕分け作業では、民主党政権は、”一円一銭でも行政のむだを省く”という態度で、国民に歳出削減をアピールしていたはずです。ところが、本日の朝刊の一面で、まず、目に飛び込んできたのが、”追加経済対策、7.2兆円で最終調整”という文字でした。このニュースに、しばし唖然とさせられたのです。

 そもそも、8月の総選挙の時から、民主党は、赤字国債の発行を抑えると明言していたはずです。最近でも、国債発行を44兆円以下とする目的を掲げておりましたが、たとえ仕分け作業で頑張って予算を削っても、マニフェストで掲げた給付政策を実現するならば、この目的の達成さえ危ういとする見方が大勢を占めていました。ところがここにきて、突然、降って湧いたかのように、巨額の追加経済対策が打ち出されたのです(国民新党の亀井氏が主張はしていましたが・・・)。税収の落ち込みにより、来年度の国債発行額は、ついに、53.5兆円を越えるそうですので、7.2兆円を合わせますと国債の発行総額は、60.7兆円ということになります(訂正:7時のNHKニュースの解説によりますと、7.2兆円のうち、国債発行分は3兆円ほどのようです)。

 補正予算の財源は、”建設国債”とのことですが(脱公共事業をスローガンとしたにもかかわらず・・・)、増やさないと約束したのは”赤字国債”なのだから、”建設国債”なら問題がないという論理も、国民を騙しているとしか言いようがありません(実際には、赤字国債も増えている・・・)。不景気のたびに、巨額の補正予算を組んでは、日本国の財政状況は、危険水域に達してしまいます。この負のスパイラルから抜け出す策が必要なのではないでしょうか。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>