時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

普天間基地の存続という対案

 13年の歳月をかけた交渉の結果、ようやく日米合意に至った普天間基地の移設問題。沖縄県民の負担を軽減するという意味において、この合意には意義があるのですが、この13年の間に、中国の軍拡が予想以上の速さで進んだことを考えますと、普天間基地は、移設しない方がよいのではないかと思うのです。

 仮に、中国の人民解放軍が沖縄に侵攻し、上陸を許すとしますと、沖縄の地で日米同盟軍が敵軍を迎え討つことになります。この際、地上戦が闘われることなりますが、米軍の海兵隊は、沖縄防衛の強力な戦力となると予測されます。つまり、地上戦を想定すれば、海兵隊は、鳩山首相も認めるように、”抑止力”となるのです(中国は、沖縄攻略に際し、日米同盟軍の強い抵抗を受けるとともに、多大な犠牲を払うことを考慮せねばならない・・・)。グアムや県外移転と言うことになりますと、制海権を中国側に採られた場合、海上において攻撃や封鎖を受ける可能性もありますし、離島ですと、兵站の切断や孤立化の懸念があります。

 基地の移転には、日米両国とも多額の費用を要しますので、両国とも財政事情が厳しいことを考えましても、普天間基地存続という対案は、決して双方とって悪い案ではないはずです。もし、普天間基地周辺の住民の方々から不満の声が上がれば、政府補償の下での任意の移住という選択を用意すれば、納得していただけるのではないかと思うのです。

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