時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日米同盟―安全保障体制構築とのリンケージ

 パックス・○○という表現があり、最強国が一国で、世界の平和を維持をする体制を確立した場合に、しばしば使われます。一国主義としてのパックス・アメリカーナが動揺を見せるなか、自国、ならびに、国際社会の平和、つまり、国際社会の治安維持はどのように構築するのかという問題が、日米安保の議論から抜けているように思えるのです。

 侵略国を取り締まる国際警察の役割を目指して設立された国連の能力には限界があり、国連に、日本国の安全を託すことは不可能です(侵略行為があっても、常任理事国の拒否権で侵略認定できない・・・)。駐留なき安保は、鳩山首相の持論であったようですが、米軍が撤退するとしますと、自国のみで防衛力を準備せねばならず、中国の同じペースで軍拡を行う必要があります。こうした現実を踏まえますと、日米同盟の深化とは、両国の力を合わせ、NATOといった他の地域的安全保障機構との連携を強めることで、国際社会の法秩序を守ろうとしない国に対抗することではないかと思うのです。

 普天間基地の移設問題は、国際社会における治安維持体制の構築と密接に結びついた問題であることを、忘れてはならないと思うのです。

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