移設中止なら普天間基地の存続を

　昨日、名護市の市長に、基地移設反対派の稲峰進氏が当選しました。この結果を受けて、鳩山首相は、”ゼロ・ベース”での再検討を表明していますが、日米同盟の行方が危ぶまれるほど日米関係が揺れているなかで、日米合意の白紙撤回とも受け取られるこの発言に、さらに問題が抉れる可能性もあります。

　民主党政権としては、県外、あるいは、国外への移設を望みたいところなのでしょうが、もし、地方の住民の意思が尊重されるとするならば、おそらく、新たに受け入れを表明する地方自治体は現れそうにはありません。最も対米関係が良好と評されてきた名護市ですら、反対派の市長が誕生したのですから。この現実を考えますと、やはり、普天間基地の移設は困難となるのではないかと思うのです。また、将来において有事が起きるとしますと、中国の軍拡を考えれば、それはやはり沖縄防衛戦である可能性が高く、安全保障面から見ましても、県外や国外移設には不安があります。

　普天間基地存続という案ならば、日米同盟を損なうことなく、アメリカ政府の合意を得られる可能性があります。本来、国際的な合意は遵守することが国際社会のルールである以上、もし、それを一方的に反故にするならば、相手国が納得する代案を示す必要があると思うのです。

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