時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

子ども手当は国民年金の逆パターン?

 民主党政権は、ついに所得制限なしの子ども手当の実施を基本方針とするようです。このため、過去最大の予算ともなるのですが、民主党政権は、この制度を持続可能なものと考えているのでしょうか。

 もし、持続可能な制度と考えているならば、それは、国債に頼らない制度と言うことになります(国債発行や埋蔵金では持続性はない)。財源は、税金によって賄われることになりますので、当然に、子ども手当分の増税が必要となるのです。この制度が永続化しますと(過渡期には、自らは支給を受けていないので、負担だけの国民も出現・・・)、手当を支給された子どもたちは、将来、その分を税金として納めることになります。つまり、この制度は、国民年金と逆パターンとなるのです(国民年金が全額税方式となればなおさら・・・)。このことは、子ども手当分の税負担と老後の年金の両者を同時に負担しなければならない年代になりますと、過去と未来の両者のために負う国民の税負担や保険料は、相当額に上ることを意味しています。

 子ども手当は、年金制度と同じくらい、国民の生活に密接に関連しますし、また、制度設計に関する議論も要します。現在の段階では、選挙目当てのためか、給付の面ばかりが強調されて独り歩きしていますが、持続性や負担の公平性も考慮に入れ、制度そのものの導入の是非から再検討を行うべきではないかと思うのです。

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