時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国民年金が税方式より保険方式がよい理由

 民主党では、党の政策方針の一つとして、消費税率アップを念頭に、国民年金の全額税方式への移行を挙げていたはずです。しかしながら、年金は、従来の保険方式の方が、はるかに財政リスクが少ないと思うのです(国庫負担二分の一の問題もありますが…)。

 何故ならば、税方式に変えますと、政府の国債発行額がさらに増加する可能性が極めて高いからです。保険方式では、保険料を納付した国民は、将来における保険料の受給という”債権”を保有することになります。反対に、日本年金保険機構は、国民に対して”債務”を負うのですが、両者の関係は、国家の財政には何らの影響も与えません。一方、税方式の場合、税収は、景気動向に左右されますので、財源に問題が発生しますと、大幅な増税か、あるいは、国債の増発かの何れかの方法で賄うしかありません。国債発行で財源を手当てするとなりますと、債権者は、必ずしも国民であるとは限らなくなり、かつ、年金問題は、即、財政問題に直結するのです。

 この側面を考えますと、財政と公的年金は分離方式とした方が望ましいと思うのです。

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