時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

子ども手当―財政赤字が膨れ上がる”預金移転政策”

 子ども手当法案が国会を通りましたが、支給額の大半は、預貯金にまわるのではないかと予測されています。景気刺激策としての経済効果は期待できず、国民の間の預貯金の移動となるのですが、それだけでは済まされない問題が潜んでいると思うのです。

 現在、国民が金融機関に預けた預金は、国債という形で政府が吸収しています。本年度の国債の発行額は44兆円ですので、国民の預貯金の大半の使い道は既に決定されているのです。この使い道の中には、子ども手当や高等学校の授業料無償化政策などがあり、政策目的の対象となっている国民に”ばらまき”されています。この給付金が、預金されますので、子ども手当は、預金移転政策となるのです(その預金もまた、国債に化けてしまう・・・)。国民の間での預金移転させるには、政府による国債発行を介さなければなりません。つまり、給付政策が増えるほど、国債の発行額も増えてゆくのです。しかも、政府は収益性のある事業を行っているわけではないにも拘わらず、利払いを欠くことはできません。となりますと、この政策を継続しますと、政府は、際限なく財政赤字を累積してゆくことになるのです。

 果たして、こうした政策は、持続可能性があり、また、経済成長に繋がるのでしょうか。はなはだ疑問なところなのです。

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