時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

若年層の所得低下は財政崩壊の序曲

 本日の新聞に、デフレで購買力の世代格差が広がっているとする記事がありました(本日付日経新聞)。貯蓄も購買力もある団塊の世代が消費を下支えしている構図のようですが、この現象は、財政崩壊への序曲なのかもしれません。

 何故ならば、この状況が続けば、早晩、国債の引き受け手がいなくなるからです。国民の預貯金の大半は、既に国債と化していますが、それも、国民の潤沢な預貯金あってのことです。今までのところ、どうにか発行された巨額の国債は消化されているようですが、若年層に貯蓄する余裕がなくなり、年金が支給されているとはいえ、高年齢層にも預貯金を積み立てる動機がないとしますと、今後は、預貯金額の減少が予測されます。預貯金が減れば、これこまで通りの行政サービスや社会保障制度を維持しようにも、国債の”財源”がなくなりそうなのです。

 増税を行っても、貯蓄は増えませんし、購買力も低下します。残された手段は、外国で国債を販売するか、日銀の国債引き受けということになりますが、ここまできますと、デフォルトや悪性のインフレが目の前に迫ることになります。しかも、中国政府に国債を引き受けてもらおうとなりますと、政治的な危機が一層高まることになります。政府が、持続可能なレベルに政府支出を抑える努力を怠りますと、将来において、破局を迎えることになるのではないでしょうか。

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