もし邦銀が５０兆円の国債引き受けを拒んだら？

　来年度予算では、政府は、ついに５０兆円もの赤字国債の発行を容認するそうです。巨額の赤字国債は、邦銀が引き受けることを前提としているようですが、もし、国債引き受けを拒んだり、引き受けられない状況に至った場合には、政府は、どのように対処するつもりなのでしょうか。

　そもそも、もし、政府が、邦銀が当然に国債を引き受けると考えているとしますと、それは、いささか傲慢と言えるかもしれません。何故ならば、金融機関は、自らの経営判断で投資先や購入債権を選別するものであり、政府が、国債の引き受けを押し付けるとしますと、金融機関の自由度は低下するからです。民間への融資よりも国債購入を優先するとしますと、その影響は、”貸し渋り”となって民間企業にも及びます。もし、邦銀が国債の入札に参加しないとなりますと、海外の金融機関に引き受けてもらうか、国民に、直接個人向け国債を購入してもらうかしかありません。海外の金融機関となりますと、真っ先に、中国の政府系ファンドが手を挙げるかもしれないのです。

　もしかしますと、郵政民営化の後退は、財政投融資の復活を狙っているのかもしれません。国民は、放漫財政から健全財政への”チェンジ”を期待していたのですが、これでは、”放漫財政”から”破綻財政”への”チェンジ”となってしまうのではないでしょうか。

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