時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国の日本国債購入に要注意

 先にトロントで開かれたG20では、財政再建が各国が取り組むべき共通課題として合意されましたが、巨額の財政赤字を抱えながら、我が国は、国債の消化が国内に留まるとして、例外扱いとされました。しかしながら、本日の新聞報道によりますと、最近、中国による日本国債の購入が増加しているというのです。

 日本国がギリシャ化する心配はないとする主張もありますが、中国の戦略的な国債購入は、要注意です。中国政府が、米国債を大量に購入することにより、外交カードとして使っていることはよく知られていますが、日本国もまた、中国政府に、もう一枚、外交カードを与えることになります。しかも、今後、預貯金の減少が続き、民間金融機関の国債購入が限界に達するようなことがあれば、日本国債心配無用論の前提が崩れることになりますし、中国は、これまで以上に国債買いを進めるかもしれません。

 こうした事態を未然に防ぐためにも、日本国政府は、財政再建に真剣に取り組むべきです。我が国にとって、ギリシャ問題は対岸の火事ではなく、ある意味で、それ以上に国家的な危機を招くかもしれないと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>