時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国政府は分配マシーンと化すのか?

 報じられるところによりますと、2006年の日本国の貧困率は15.7%に上昇し、七人に一人が低所得の状態にあるそうです。景気後退が厳しさを増している今年のデータともなりますと、さらにこの率は上がりそうです。

 貧困化を示すデータに対して、長妻厚生労働相は、子供手当などによって、対策を講じたいと発言したそうですが、所得移転政策の強化によって、貧困問題が根本的に解決するとは思えません。日本経済を取り巻く状況は、政府による政策で好転する種類のものではないからです。中国を始めとした新興国の台頭を前にして、日本国の競争力は、低下の傾向にあります。経済の体質強化を図らない限り、この傾向に歯止めをかめることはできません。

 来年度予算では、国債を発行することで財源を確保する方針のようですが、近い将来には増税という形で国民負担に跳ね返りそうです。行き着く先には、政府が、国民から税を徴収し、貧困層や子供のいる世帯に配るだけの、配給マシーンと化す姿が見えてくるのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<A HREF="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</A>